個人事業主は配偶者控除を受けることが出来る条件とは?

2018.05.31

妻が個人事業主になったからといって、すぐに夫の扶養から外れたり、配偶者控除を受けることが出来なくなったりするとは限りません。

個人事業主の妻はパートの妻と違って、自分でいろいろと調べたり手続きをしなければならないことがありますが、しっかりと対策を立てれば、節税をすることが出来ます。

配偶者控除を受けるには

結婚した男女

個人事業主である妻はパート主婦とは配偶者控除を受けられる条件は微妙に異なることもありますが、共通している部分も多くあります。

配偶者控除を受けられる条件について

まずは配偶者控除を受けられる条件について確認をしましょう。以下の項目を全て満たしている必要があります。

  • 入籍をしていること。内縁の妻、事実婚、同性婚などはこれに該当していません。
  • 納税者と生計が同じこと。生計が同じならば、同居は必須条件ではありません。
  • 青色新億社の事業専従者や白色申告者の事業専従者などではないこと。
  • 夫が青色申告者や白色申告者で、妻が専従者としてその年に給与を得ている場合、配偶者控除は受けられません。
  • 年間の所得合計金額が38万円以下であること。給与所得の場合は150万円以下であること。ここが個人事業主の妻の場合、重要なポイントになります。
  • 納税者の年収が1220万円以下であること。

納税者の年収が1120万円以下ならば配偶者特別控除を38万円受け取ることができますが、納税者の年収が1120万円以上になると徐々に控除額が減っていき、1220万円以上になると配偶者控除はゼロになってしまいます。

詳しくは2018年からの改正で配偶者控除、配偶者特別控除はどうなるの?を参照してください。

合計所得金額が38万円の意味

合計所得金額38万円というのは1年間の収入から必要経費を引いた額が所得で、その額が38万円を超えた場合に配偶者控除から出てしまうということになります。

個人事業主としての所得が38万円以下の場合は扶養控除を受けることが出来ます

合計所得が38万円以上76万円未満の場合は配偶者特別控除

合計所得が38万円を超えたからといって、配偶者控除が一切受けられなくなってしまうというわけではありません。

合計所得が38万円以上76万円未満の場合は配偶者特別控除に切り替わり、徐々に控除額が減っていきます。

いわゆる働き損のようなものはそれほど気にする必要はありません。

がっつりと配偶者扶養控除を利用したいのならば青色申告

パート主婦は150万円まで配偶者扶養控除に入ることが出来るのに、個人事業主の妻は38万円までなんて不利のように感じるかもしれません。

この不利益を解消するのが青色申告です。

国税局に開業届を提出し、確定申告の際に青色申告を行えばパート主婦と同じように、年間所得150万円まで配偶者控除に入ることが出来ます

150万円を超えた後も最大201万円まで段階的に控除額が減っていく配偶者特別控除を受けることが出来ます。

青色申告でパート主婦よりも節税ができることも

開業届を出したり青色申告をしたりそのために複式簿記をつけたり領収書を管理したりするのは面倒に感じるかもしれません。

しかし、これらのことをすることで、仕事の経費を計上することが出来ます。

たとえば、パート主婦ならば実費になることも多い通信費や通勤のための服代なども経費にすることが出来ます。

自宅で個人事業主として働いているのならば家賃や光熱費なども一部経費とすることが出来ます。

年収が150万円を超えていても、年間所得が150万円を超えていなければ配偶者扶養控除の恩恵を受けることが出来るのです。

開業届や確定申告は郵送でもいいので、税務署に直接行く必要はありません。

また、複式帳簿は会計ソフトを使用すれば家計簿感覚で作成することが出来ます。

130万円の壁に注意

働くパート主婦

個人事業主の妻が気を付けるべきは配偶者特別控除だけではありません。それは130万円の壁です。

社会保険の扶養は年収?所得?

夫の加入している社会保険によっては年収が130万円を超えたら扶養から外れるタイプと所得が130万円を超えたら外れるタイプがあります。

また、所得の場合も経費として認められるものが少なかったりする場合もあります。

詳細は夫が加入している社会保険に問い合わせましょう。

個人事業主の妻は働き損のゾーンが広い

パート主婦の場合、社会保険の扶養から外れる130万円から150万円くらいが働き損だとされています(大手企業の場合は106万円から126万円くらい)。

150万円を超えると徐々に手取りも上がってきます。

しかし、個人事業主の場合、国民健康保険料や国民年金保険料は全額自己負担なので、働き損のゾーンは広いです。

社会保険の扶養から外れてしまった場合、180万円を超えないと手取りは増えないと言われています。

130万円を超える場合は国民年金基金も視野に

パート主婦の場合、130万円(106万円)を超えると企業年金に加入をします。手取りは減りますが、将来貰える年金は増えます

しかし、個人事業主の場合は国民年金保険料を自分で払うだけなので、130万円以下の時と将来貰える年金の額は変わりません。

フリーランスや個人事業主向けの国民年金基金に加入すると、負担金は全額所得控除になる上、将来貰える年金も増えるので検討してみましょう。

ただし、基本的に1度加入すると収入が減っても簡単には退会できないので注意が必要です。

夫が個人事業主の場合

夫が個人事業主であったり、自営業だったりした場合の配偶者控除について説明をします。

基本は同じ

夫が青色申告者であっても、妻が条件を満たしているのならば配偶者控除を受けることが出来ます。

夫に雇われている場合は注意

夫に妻が雇われていて、その年に給与を1度でも受け取った場合は配偶者特別控除を受けることが出来ません

夫が妻を雇用し、給与や報酬を払うとそれは経費を認められて所得を減らすことが出来ますが、扶養控除の条件からは外れてしまうので注意が必要です。

ただし、妥当だと判断されれば青色申告者の場合、家族に払う給与や報酬に上限はないので、配偶者控除を受けるよりもメリットが大きくなります。

個人事業主の妻は青色申告で配偶者控除を受けやすくなります

笑顔の女性

個人事業主の妻は年間所得が38万円以下の場合は何の問題もなく、配偶者控除を受けることが出来ます。

しかし、38万円を超えてしまうと配偶者控除から外れてしまうので注意が必要です。

そんな個人事業主の妻におすすめなのが青色申告での確定申告です。

これをすればほぼパート主婦と同じ条件で扶養控除や配偶者特別控除を受けることが出来ます

ただし、年収あるいは年間所得が130万円を超えると社会保険の扶養から外れます。

パート主婦よりも働き損のゾーンが広いので、注意が必要です。