個人年金保険を利用して節税しながら老後の資金を貯められる?注意点は?

2018.07.03

小銭貯金

個人年金保険という金融商品をご存知ですか?

保険料を払うことで老後の資金の準備が出来る一方、所得控除も受けられて節税をすることが出来ます。

医療保険や生命保険と並んで人気の商品です。

しかし、個人年金に加入したからといって誰もが大幅の節税が出来るわけではありません。

注意点やリスクもあります。

それを踏まえて加入を決めましょう。

個人年金保険の仕組みについて

コインの上に老人
個人年金保険とはどのようなものなのでしょうか?

貯金と運用

個人年金保険は個人が一時払いをしたり、毎月一定額の保険料を支払ったりします。

それを保険会社が運用して、60歳以上になった場合、年金のように一定額を一定期間受け取ることが出来ます。

貯金と似ていますが、60歳になるまでは引き出せないところが大きな違いです。

個人年金保険は円建て個人年金保険、変額個人年金保険、外貨建て年金保険の3種類がありまる。

円建て、外貨建てというのは日本円で運用するか、外貨で運用したり受け取ったりするかといったことを意味しています。

変額は運用の成果に応じて受け取れる年金が変化します。

高額の年金になる可能性もある一方で、元本割れのリスクもあります。

いずれも10年以上の運用が基本です。

個人年金の受け取り方

個人年金は60歳以降に受け取ることが出来ます。

60歳より前に死亡してしまった場合は払いこんだ保険料に相当する額を死亡給付金などの名目で遺族に支払われます。

60歳以上で受け取る場合は終身年金、有期年金、確定年金の3種類の受け取り方があります。

終身年金は受取人が生きている限り決まった額の保険金を受け取ることが出来ます。

有期年金は10年や20年だとあらかじめ年金を受け取ることのできる期間が決まっています。

期間を過ぎれば受取人が生きていても年金は支給されません。

また受け取り期間中に受取人が死亡した場合は支給がストップします。

確定年金は一定期間中、受取人の生死に関わらず年金が支給されます。

受取人が死亡した場合は遺族が年金を受け取ります。

また、終身年金や有期年金のほとんどは保証がついていて、保証期間内ならば受取金が死亡してしまったとしても、遺族が一定額の年金を受け取ることが出来ます。

個人年金保険の節税効果

通帳とお金
個人年金保険に加入することでどのような節税効果があるのかについて説明をします。

控除が受けられる条件

節税をするためには以下の4つの条件を全て満たしていなければなりません。

年金の受取人は契約者、あるいはその配偶者。

年金の受取人は被保険者であること。

保険料の支払期間は10年以上であること。

終身年金以外の個人年金保険の場合、受け取りは60歳以降で、10年以上の受け取り期間であること。

つまり、自分が個人年金保険に契約をして、年金を自分で受け取る。

10年以上保険料を払い、受け取り期間も10年以上というもの。

自分が個人年金保険に契約をして、配偶者に保険をかけて配偶者が年金をもらうというもの。

の2パターンです。

ただし、額によって、後者は贈与税がかかることがあるのであまりおすすめしません。

個人年金保険で受けられる控除について

個人年金保険料は医療保険や生命保険などと同じように所得控除の対象です。

条件を満たしている場合は年末調整で控除を受けましょう。

配偶者の個人年金を支払っている場合も控除を受けられます。

実際、どれくらいの控除が受けられるのかというのは支払っている保険の額、そして旧制度新制度かで変わってきます。

旧制度(2011年12月31日までに契約したもの)

年間10万円以上の保険料の支払いで所得税は5万円、住民税は3万5000円の控除を受けることが出来ます。

新制度(2012年1月1日以降に契約をしたもの)

年間8万円以上の保険料の支払いで所得税は4万円、住民税は2万8000円まで控除を受けることが出来ます。

個人年金保険の控除で素晴らしいことは、生命保険や医療保険とは独立して計算することができることです。

生命保険や医療保険にも加入している場合はそちらからも控除を受けることが出来るのでさらに、所得税や住民税を安くすることが出来ます。

ただし、新制度の場合は住民税の控除は医療保険、生命保険、個人年金保険の3種類を併せて7万円の控除が上限です。

新制度で毎年8万円以上の個人年金保険料を支払った場合、控除を受けて節税できる金額は年収が500万円ならば大体1万円くらいです。

個人年金保険は10年以上と長い期間支払うのが前提なので、積もり積もって大きな節税効果が出てきます。

個人年金保険の注意点

アテンション
個人年金保険は節税に有効ですが注意点もあります。

節税が出来るということだけに囚われないようにしましょう。

上限があります

保険料が高ければ高い程節税ができるわけではありません。旧制度の場合は10万円以上、新制度の場合は8万円以上の保険料を支払っても控除額は同じです。

年金をもらうに税金がかかることも

年金を受け取る時に税金がかかってしまうことがあります。

年金は雑所得に分類されます。

とはいえ、全額が課税対象というわけではありません。

その年に受け取った年金の受取総額から必要経費を引いた額が課税対象です。

これまでに納付した保険料をこれから受け取る年金の期間で割ったものが必要経費です。

これから基礎控除である38万円を引いた額に税金がかかります。

それ以下ならば税金は発生しません。大抵は契約の時に、受け取りに税金がかからないような商品をすすめてくれます。

配偶者に個人年金保険をかけた場合、初年度に贈与税がかかります。

税金の計算がかなり複雑な上に税金は高額になりがちなので、あまりおすすめしない契約の仕方です。

配偶者控除が受けられなくなってしまうことも

年金は雑所得です。

夫婦で生活をしていて、片方が働いていて、年金をもらう人を扶養していた場合、年間38万円以上の年金をうけとっている場合、扶養控除から外れてしまうことがあります。

年の差夫婦で片方がまだバリバリと働いているような場合には注意が必要です。

個人年金保険は利率が良くない

今は超低金利の時代です。

個人年金保険に加入してもあまり利率はよくありません。

投資のための商品としてはあまり魅力があるとはいえません。

投資目的ならば別の商品の方がおすすめです。

途中で解約はかなり不利

個人年金保険は途中で解約をすることはできますが、殆どの場合、支払った保険料の総額よりもかなり低い金額しか戻ってきません。

無理のない額で契約をするようにしましょう。

運用期間中に亡くなった場合は相続税がかかることも

変額個人年金以外の個人年金保険の場合、運用中に契約者が死亡すると遺族に死亡保証金が支払われますが、これに相続税がかかることがあります。

倒産のリスク

個人年金保険は10年以上という長いスパンで運用をし、受け取りも10年以上かかります。

この期間に保険会社が倒産してしまうリスクがあります。倒産したからといっていままで支払っていた保険料が全てなくなってしまうということはありませんが、満額かえってくるとも限りません。

大手の保険会社、経営が順調な保険会社、信頼できる保険会社を選んで契約をしましょう。

個人年金保険は節税に役立つけれど注意点もあり

個人年金保険は節税をしながら老後への備えができる素晴らしい仕組みです。

医療保険や社会保険と同様に所得控除の対象です。

ただし、上限があるので払えば払う程良いというものではありません。

また、あまりにも高額になると、受け取る時に税金が発生してしまうこともあります。

さらに、長いスパンで運用し、途中で解約をしてしまうとかなり損なので無理のない掛け金を心がけましょう。