医療費控除とは?確定申告をして節税しよう

2018.07.09

医療費控除

医療費控除は生計を同じくする人がその年の1月1日から12月31日までにかかった医療費が一定額を超えた場合、超えた額の分だけ所得控除が受けられる制度です。

条件に当てはまる人は確定申告をして、払い過ぎた税金を取り戻し、節税を目指しましょう。

医療費控除のシステムについて

医療費控除

医療費控除の計算方法やシステムについて紹介をします。

医療費控除が受けられる金額

医療費控除はその年の1月1日から12月31までにかかる本人および扶養家族が支払った医療費が10万円をこえた場合です。

超えた額がそのまま所得から控除することができます。

ただし、所得が200万円以下の場合は所得金額に5%を超えた額から控除を受けることが出来ます。

そして、控除金額の上限は200万円です。

これとは別に高額療養費という制度があります。

医療費が高額になる場合はこちらの制度がおすすめです。

医療費がかさんで経済的に厳しいときには病院のケースワーカーに相談すると紹介してくれます。

保険金で補填された分は差し引きます

社会保険、健康保険、あるいは個人で加入している医療保険や生命保険などで補填された場合はその差額が10万円、あるいは所得の5%を超えた場合に医療控除が補填されます。

以下のような4つは保険や制度、給付などが補填とみなされます。

・出産育児一時金、配偶者出身一時金など健康保険から支給されたもの
・高額療養費など健康保険から支給されたもの
・損害賠償金などとして支払われたもの
・生涯費用保険、医療保険、入院給付金など個人で加入している保険から支払われたもの

医療費控除の計算方法

実際にどれくらいの金額の医療費控除が受けられるかは下の計算式に当てはめると分かります。

・A-B―C=医療費控除(上限200万円)
・B:保険等で補填された金額
・C:10万円(所得が200万円以下の場合は所得×5%)

医療費控除の対象となるもの

控除
以下のようなものが医療費控除の対象となります。基本的に治療目的のものならば自費診療であっても医療費控除の対象となります。

入院、通院、治療、検査などに関わるもの

・医師や病院に支払った診療費や治療費はもちろんのこと、治療目的で作成した診断書代や医師の指示による差額ベッド代。
・そのほか、治療のためならば自費診療であってもはりやマッサージ、お灸なども対象です。
・そのほか、松葉づえ、義足、車いすなどの購入費用やレンタル費用など。
・治療ではありませんが、特定健康検査、特定保健指導も対象です。
・入院した時に提供をされる食事代も医療費控除です。
・通院や入院のための交通費も対象になります。

レシートや領収書の出ない物は出勤伝票で管理しましょう。

さらに、レーシック手術代、治療目的の眼鏡、コンタクトレンズ代なども含まれます。

妊娠、出産に関わるもの

出産には健康保険が使えませんが、医療費控除の対象になるものもあります。

・妊娠中の定期健診や出産費用、助産師による分娩介助料。
・流産してしまった場合の手術費や入院費、通院費など。
・母体保護法による理由で人工中絶をした場合の手術費用や入院費など。

歯科に関わるもの

自費診療であっても医療費控除の対象になることがあります。

・虫歯の治療費、金歯、銀歯入れ歯の費用について。
・治療目的での歯科矯正について。

医薬品について

医師が出した処方箋で購入をした医薬品など。

また、処方箋がなくても怪我や病気を治療するために購入した特定の医薬品も控除の対象です。

特定医薬品とは「OTC医薬品」と表示されています。

条件を満たせば、1年間で1万2000円以上の「OTC医薬品」を購入した人は医療費が10万円(あるいは所得の5%)を超えていなくても医療費控除の対象になります。

これはセルフメディケーション税制と言われるものです。

医療費控除の対象外になるもの

対象外
以下のようなものは医者が治療のために必要だと認めない限りは医療費控除の対象外になってしまいます。

美容目的はもちろんのこと、病気の予防や健康増進のためのものは大正愛となることが多いので注意しましょう。

入院、通院、治療、検査などに関わるもの

・医師や看護師、病院に対する謝礼金、美容整形など。
・病気の予防注射。
・医師の指示がない場合の差額ベッド代について。
・学校や会社、保険会社などに提出することを目的とした診断書代について。
・治療目的ではない眼鏡やコンタクトレンズなどの購入代金について。
・定期健診や人間ドックなど、治療目的ではない検査費用など。
・通院のための自家用車の購入費用やガソリン代、駐車代など(タクシーや電車などの交通費は医療費控除の対象です)。
・入院のためのパジャマや洗面用具、スリッパ、タオルなどの雑貨代など。

妊娠、出産に関わるもの

・里帰り出産のために実家へ行くときにかかる交通費。
・カルチャーセンターなどで行われる無痛分娩や赤ちゃん教室などの受講料。
・母体保護法によるものではない理由での人工中絶のための手術費や入院費など。

歯科に関わるもの

・美容目的のための歯科矯正について。
・歯石やヤニを除去するための費用など。

医薬品について

・医師による処方箋やOTC医薬品ではない医薬品。
・疲労回復や美容目的、健康増進、病気の予防目的の医薬品。

医療費控除の申請方法

申請
医療費控除は確定申告で行います。申請方法は2017年から様式が変わりました。しかし、従来での申請方法も2019年まで認められます。

レシート、領収書は自宅で保管

従来の医療費控除の申請では領収書やレシートは必ず提出が必要でしたが、新しい様式では提出の必要がありません。

代わりに自宅で5年間保管が義務付けられています。封筒などにまとめて保管をしておと良いでしょう。

医療費通知書を添付

年末になると健康組合から医療費通知書、または医療費のお知らせという書類が届きます。

これが領収書やレシートの代わりになります。

大切に保管をして、確定申告の時に添付をしましょう。

医療明細書には記入されていない医療費控除の対象となるもの、交通費や処方箋のない医薬品などは従来通り領収書やレシートなどを添付します。

医療明細書に記入

国税庁のホームページから医療明細書の書式をダウンロードすることができます。

項目はそれほど複雑ではありません。医療を受けた人別、病院や薬局別に医療費を集計して合計金額を記入します。

郵送で税務署へ

必要事項を記入し、前線徴収票と医療通知書、領収書などを揃えたら確定申告の期間中に郵送で税務署へ届けましょう。

直接持っていっても受け取ってくれますが、郵便の方が時間と交通費の節約になるでしょう。

分からないことがあれば

分からないことがあれば直接税務署に電話をすると答えてくれます。

税務署まで行く必要はありません。

直接税務署に行っても分からないことは教えてくれますし、書類の作成も手伝ってはくれますが、おそらくかなり混んでいます。

医療費控除で必ず押さえておくべき7つのポイント

最後に医療費控除で必ず知っておくべきことをお伝えします。以下の7つは押さえておきましょう。

医療費控除で節税をするためのポイント

ポイント
医療費控除で還付を受け、節税するためのポイントについて紹介をします。

医療費控除は生計が同じ人の合算です

医療費控除は本人が一年間にかかった医療費の金額だけではありません。

本人を含めて生計を同じくしている人全員の医療費の合算です。

たとえ、扶養家族の定義に当てはまらなくても、生計が同じならば合算して控除を受けることが出来ます。

確定申告をしなければ控除は受けられません

医療費控除を受けるためには確定申告が必要です。

年末控除では処理ができません。

サラリーマンであっても確定申告を行いましょう。

確定申告期間は2月16日から3月15日までです。

医療費控除は過去5年分まで申告をすることができる

医療費控除は書類をそろえることが出来れば過去5年分まで遡って申告をすることができます。

医療明細書など再発行が可能なものもあるので、諦めずにやってみましょう。

また、体調が悪く、確定申告の時期を過ぎてしまったとしても諦める必要はありません。

住宅ローン控除を受けていても申請をした方が節税できる

住宅ローン控除など大きな所得控除を受けているとほとんど所得税の支払いがない場合もあります。

しかし、そのような場合であったとしても、医療費控除が受けられるのならば申告を行いましょう。

住民税が節税できます。

家族の中で最も高収入の人が医療費控除の申告をする

高収入の人程、初頭税や住民税の税率が高くなります。

なので、同一生計で、所得がある人が複数いる場合は高収入の人がまとめて医療費控除の申告をしたほうが節税効果は高くなります。

医療費の支払いはなるべく年内に済ませておく

医療費控除は1月1日から12月31日までに支払った医療費で計算をします。

なので、治療が年をまたがない場合はなるべく、医療費の支払いは年内に済ませておくようにしましょう。

年をまたいで医療費を支払うと医療費控除の条件から外れてしまったり、受けられる還付の金額が少なくなってしまったりすることがあります。

セルフメディケーション税制について

セルフ
セルフメディケーション税制は医療費控除の一部です。

従来の医療費控除と並行して行うことはできません。

医療費控除は上限が200万円までですが、セルフメディケーション税制は上限が8万8000円です。

セルフメディケーション税制の対象者

セルフメディケーションによって控除が受けられる人は以下の3つの条件を全て満たす人です。

1、1月1日から12月31日までの間に健康のために一定の取り組みをしていること。特定健康診断や予防接種、定期健康診断、がん検診などがこれに該当しています。
2、1月1日から12月31日までの間に1世帯でOTC医薬品を1万2000円以上購入している。
3、住民税、所得税を納税していること。

従来に医療費控除よりもハードルが低い

セルフメディケーション税制は医療費控除よりも控除の上限が低いですが、医薬品の購入が一世帯で1万2000円程です。

家族が多かったり、子どもや老人が多かったりする世帯ではクリアしやすいです。

風邪薬や目薬、傷薬などを選ぶときにはOTC医薬品であるかどうかを1つの目安にするのもおすすめです。

OTC医薬品を購入するとレシートに「★」「◆」などのマークついてきます。

確定申告時に領収書やレシートを添付して提出を行います。

医療費がかかった年は必ず医療費控除を行いましょう

絶対
一年間で家族にかかった医療費が10万円(所得が200万円以下の場合は所得5%以上)かかった場合は医療費控除の対象になります。

所得税や住民税の節税になるので必ず申告を行いましょう。

医療費控除は年末調整ではできないので、サラリーマンであったとしても確定申告をする必要があります。

以前は全ての領収書やレシートが必要でしたが、今は領収書の添付の必要がなく、手続きが楽になりました。

医療費控除の対象となるもの、ならないものの境目は複雑で難しいです。

一般的に、治療目的だったり、医師の指示によるものだったりするのならば対象となることが多いですが、分からないのならば医師や税務署にと合わせてみましょう。

控除の額は少ないですが、セルフメディケーション税制は医療費控除よりもハードルが低いので、薬局で医薬品を購入した時には領収書を保管しておきましょう。