株式投資をした場合の税金はどれくらい?手続きは?
2018.07.05
株式投資によって利益を得た場合、税金が課せられます。
しかし、利益が出たからと言ってかならずしも税金が発生するわけではありませんし、面倒な手続きや確定申告が必要なわけでもありません。
株にかかる税金の仕組みを知ることで節税をしたり手間を省いたりすることが出来ます。
まずは手間や税金がなるべくかからない方法を選択肢、株投資に慣れて来たら効率良く節税が出来る方法にチャレンジするのがおすすめです。
株にかかる税金について
どのような時に株は課税対象になるのかについて説明をします。
株式投資にかかる税金は2つ
株式投資を行うことで発生する税金は2種類です。
株が買った時よりも売った時の方が高い値段が付き、利益が出た場合を値上がり益と呼びます。
そして、これには譲渡益課税がつきます。
もう1つの税金は配当課税です。これは企業から受け取る配当金にかかります。
税率は20.315%
譲渡益課税と配当課税の税率は20.315%です。
内訳は所得税15%、復興特別税0.315%、住民税5%となっています。
復興特別税は一時的なものなので、だいたい20%程度という認識をしておきましょう。
おまけの株主優待
株の税金でおまけ的な存在なのが株主優待にかかる税金です。
株主優待は雑所得に分類されます。
1年間の雑所得が株主優待を含めて20万円以上になった場合、課税対象になります。
確定申告もしなければなりません。
税率は所得金額によって変わってきます。
株による税金の払い方
株によって税金が発生した場合の税金の払い方は2種類です。証券会社が代行して払ってくれる方法と自分で確定申告をして払う方法です。
証券会社に代行をしてもらう方が楽ではありますが、自分で確定申告をする方が節税になる場合もあります。自分に向いている方を選びましょう。
証券会社に代行をしてもらう場合
証券会社に株による税金の支払いを代行してもらう場合は、証券会社に口座登録をするときに、特定口座利用の申し込みをします。
そして、源泉ありを選択します。
これをするだけで証券会社が納税を代行してくれます。
自分は何もする必要がありません。
1つの証券会社のみで株投資をやっていたり、株取引が初心者だったりする人にとてもおすすめの方法です。
窓口で税金の支払いを代行して欲しいと告げれば手続きをサポートしてもらえるでしょう。
一度、自分で確定申告をするやり方を選択してしまっていたとしても大丈夫です。
証券会社や口座を作っている窓口で相談をしてもいいですし、ネット上で変更もできます。
ネット上で変更をする場合は証券会社のマイページにログインをして「お客様情報の設定、変更」などの項目から「特定口座・源泉あり」を選択します。
自分で確定申告をして税金を払う場合
自分で確定申告をして税金を払う方法はやや手間がかかりますが、節税をしやすくなるので、株取引上級者におすすめです。
逆に、年間の利益が20万円以下というほそぼそと株取引をやっている人は元々税金がかからないで確定申告も不要になるのでこちらを選択しても構いません。
ただし、年間の利益が20万円を超えたら確定申告の義務が生じます。
自分で確定申告をする場合は2通りの方法があります。
1つは証券会社で特定口座の利用を申し込み、源泉なしを選択します。
そうすると確定申告前に証券会社がその年の分の取引明細を送ってくれるのでそれを使用して確定申告を行います。
もう1つは特定口座ではなく、一般口座を使って株取引をする方法です。
この場合、利用明細は送られてこないので自分で損益を計算して確定申告をします。
この方法は手間がかかるだけであまりメリットがありません。
株取引をするのならば特定口座を利用するようにしましょう。
自分で確定申告をするメリット
簡単な手続きをするだけで証券会社が納税を代行してくれるのにも関わらず、自分で確定申告を行うことを選択するメリットにはどこにあるのでしょうか?
給与所得者で株の利益が20万円以下の場合な無税
会社員などの給与所得者の場合、株の利益を含めた雑所得の合計が年間で20万円以下の場合、確定申告の義務がありません。
つまり、20万円以下の場合には税金を払う必要がなくなるのです。
年間20万円以下の利益でほそぼそと株取引をしている人は一般口座や特定口座で源泉なしを選択することによって確定申告も納税もする必要がなくなります。
複数の証券会社の損益を合算することができる
確定申告をするメリットとしてはこちらの方が大きいです。
複数の証券会社で株取引をしている場合、損失が出る場合もあります。
確定申告をする場合は利益と損失を合算して税金を計算することが出来ます。
しかし、証券会社に納税の代行手続きをした場合、証券会社は自社の口座以外の損益については把握していません。
例えば、Aという証券会社での年間の利益は100万円でBという証券会社では損失が50万円だった場合、Aの証券会社は100万円分の税金を自動的に納めます。
しかし、自分で確定申告をした場合は損益を合算することが出来るので、100万円―50万円=50万円で50万円ぶんの利益にかかる納税をすればいいのです。
繰越控除を受けることが出来る
株で大きな損失をしてしまい、年間の収益がマイナスだった場合、確定申告を行うことで繰り越し控除を受けることが出来ます。
繰越控除とは翌年の収益がプラスであったとしても、前の年の損失を相殺させることができることを意味します。
前年度に50万円の損失があって、次の年に100万円の利益があった場合、前年度の損失を相殺させて、その年の課税対象は50万円となします。
繰越控除は最大3年間持ちこすことが出来ます。
株で損失が出てしまった年には確定申告の義務はありませんが、確定申告をしておいた方がお得です。
税金がかからない口座、NISA
株投資が初心者の人に絶対的におすすめなのがNISAという口座の開設です。
なんと、この口座、税金がかかりません。
さまざまな制限はありますが、初心者にとっては些末なことです。
まずはNISAで株デビューをしましょう。
NISAとは
NISAはニーサと読み、少額投資非課税制度という意味です。
日本が投資を推奨するために2016年に設けた制度です。
NISAの利用方法
NISAの利用方法は簡単です。金融機関でNISA専用口座を開設します。
この口座は1人1つしか持つことが出来ません。
そして、1度開設したら金融機関を替えることが出来るのは1年間に1度だけです。
NISAの優遇制度
NISAは株の売買益と配当金にかかる税金が最長5年間にわたって全くかかりません。
年間120万円、5年間で600万円までの投資ならば非課税になります。確定申告の必要もありません。
株を初めて5年以上たち、600万円以上の運用が視野に入って来たらNISA以外の特定口座を開設してみましょう。
株の税金は面倒ならば証券会社任せでOK
株をこれから始めたいと思う人にとってネックになることの1つが税金です。
株は利益に対して20.315%の課税がされます。
しかし、証券会社に特定口座を開設し、源泉ありを選択すれば、納税は証券会社が代行をしてくれます。
株式投資の上級者で複数の証券会社を利用しているのであれば自分で確定申告をした方が節税になることもあります。特に損失が出た場合は必ず確定申告をしましょう。
また、初心者におすすめなのがNISAです。若干制限があり、投資できる金額も少額ですが、5年間は非課税で運用をすることができます。