配偶者控除と扶養控除の違いは何?誰が適応されるの?

2018.07.01

数ある控除の中でもとくに有名なのが配偶者控除扶養控除ではないでしょうか?

どちらも誰かを養っている、扶養しているというイメージが強いですが、この2つの制度はどのような違いがあり、誰が適用され、どんなメリットがあるのかについて説明をします。

扶養控除とは

夫婦で計算
まずは扶養控除について知っておきましょう。

配偶者控除扶養控除の一部です。

給与所得者の場合、年末調整で払い過ぎた税金の還付を受けることが出来ます。

個人事業主については確定申告を行います。

扶養控除の考え方

家族を扶養している人は扶養している人数や年齢などの状況に応じて、課税所得から一定の金額を控除するのが扶養控除です。

扶養控除を受けることで所得税住民税を減らすことが出来ます。

また扶養に入っていると社会保険は免除されます。年金は免除されません。

扶養控除が適用される場合

扶養控除が適応されるのは以下の条件を全て満たしている人です。

納税者と生計を同じくしていること。

生計が同じならば同居は必須条件ではありません。

配偶者以外の親族であること。

配偶者はこれとは別に、後述する配偶者控除を受けます。

親族とは6親等内の血族と3親等内の姻族をさします。

実際にはかなり広い範囲が適応されますが、生計を同じくしていることが条件です。

年間の合計所得が38万円以下であること。

給与所得のみの場合は103万円以下の場合。

いわゆる103万の壁のひとつです。

個人事業主の場合は、家族を従業員として雇用していないこと。

16歳以上であること。16歳以下の子どもはいかにも養っているというイメージが強いですが、扶養控除には適用されません。

以前は扶養控除対象でしたが、今は、医療費無料や子ども手当と引き換えに対象外となっています。

重複して控除されていないこと。1人を扶養するのは1人だけです。

また、1人が扶養控除と配偶者控除を重複して受けることはできません。

配偶者控除とは

はてなマーク
配偶者控除とは配偶者だけに適用することのできる控除です。

普通の扶養控除よりもさらに優遇されています。

配偶者扶養控除の条件

  1. 生計を同じくしていること。別居していても構いません。
  2. 籍を入れていること。同性婚や事実婚では配偶者控除を受けることはできません。

    ただし、場合によっては社会保険の扶養には入れることもあります。

  3. 配偶者の年間の合計所得が85万円以下の場合。給与所得の場合は年収が150万円以下であること。扶養控除よりもかなり引揚げられています。

    また、給与所得の場合は150万円を超えたらいきなり配偶者特別控除から外されるのではなく、配偶者特別控除に切り替わり、配偶者の年収が上がるにつれて段階的に控除額が下がっていきます。最大年収201万円までは控除をうけることができます。

  4. 納税者の年収が1220万円未満であること。納税者の年収が1120万円以下ならば配偶者扶養控除は38万円ですが、1120万円を超えると徐々に控除額が減っていき、1220万円以上になると配偶者控除は受けられなくなります。

扶養控除は年齢や状況によって変わります

子供の成長
扶養控除は扶養する対象の年齢や状況などによって控除額が異なります。

年齢はその年の12月31日でカウントをします。

16歳未満の場合

控除額は0円です。代わりに子ども手当、医療費無料などの制度があります。

16歳以上19歳未満

38万円です。

19歳以上23歳未満

63万円です。19歳から23歳で扶養対象ということは学生である可能性が高いです。

何かとお金のかかる時期なので、控除額が大きく設定されているようです。

23歳以上70歳未満

38万円です。

70歳以上で別居の場合

48万円です。老人ホームに入っているような状態も別居とみなされます。

生計を支えているという実績が必要なので、直接お金を手渡すよりも、銀行口座がから振り込むなどの証拠が残る方法で仕送りをするようにしましょう。

70歳以上で同居の場合

58万円です。長期であっても入院をしている場合は同居とみなされることが多いです。

配偶者控除、扶養控除で得をするためには

こちら
配偶者控除や扶養控除はとても金額が大きな控除です。

受けられる控除は最大限受けられるようにしておきましょう。

そして、トラブルも未然に防ぐようにしましょう。

控除額は合算です

配偶者控除と扶養控除は合算されます。

つまり、扶養内の妻1人と高校生の子どもと大学生の子どもと同居の70歳以上の親が1人いる場合の控除額は38万円+38万円+63万円+58万円で197万円の控除を受けることができます。

人によってはかなり所得税や住民税を低く抑えることが出来ます。

所得が高い人が扶養をした方が控除額は大きい

たとえば、共働きの家庭で16歳以上の子どもを1人養育している場合、子どもは夫と妻、収入が多い方の扶養に入っていた方が控除額は大きいです。

所得税も住民税も所得が多ければ多い程高くなるからです。

夫婦の収入が同じくらいで、子どもが2人いる場合は夫婦で1人ずつ扶養に入れた方が世帯で払う税金が低くなる場合もあります。

1人を扶養できるのは1人だけ

例えば年老いた親を兄弟3人で養っていた場合であっても、扶養控除を受けることが出来るのは1人だけです。

兄弟の中で1番収入が高い人の扶養に入るのは一番控除額が大きくなる方法ではありますが、いさかいが起きないようにあらかじめよく話し合っておきましょう。

扶養控除や配偶者控除を意識して働き方を考えましょう

働く男女
扶養控除や配偶者控除の制度を意識して働き方を考えましょう。個人の収入を上げることが世帯の手取りを減らすことにならないように注意が必要なこともあります。

子どもがアルバイトをする場合は103万円を意識して

子どもがアルバイトをする場合は年収103万円以上になると扶養から外れてしまいます。

特に、19歳から23歳の間は控除額も大きいです。アルバイトに精を出すのもいいですが、家族とよく話し合う必要があります。

さらに、100万円を超えると次の年に住民税の通知が来ます。また、103万円を超えると扶養から外れるだけでなく、所得税も課せられます。130万円を超えた場合は社会保険を自分で払わなければなりません。

一方、20歳を超えたら収入のあるなしに関わらず、年金の支払いはしなければなりません。

妻は夫の所得に応じて臨機応変に

妻は夫が高所得者の場合はあまり配偶者控除や配偶者特別控除の恩恵は受けられません。

自分が社会保険を払うかどうかの境目になる130万円(企業の規模が大きければ106万円)を超えるかどうかが1つのポイントです。

夫が高所得者ではないのならば、130万円(あるいは106万円)、そして150万円とたくさんの分かれ道があります。

夫が務める企業によっては、妻の収入が低い場合、企業独自の配偶者手当が支給されている場合もあります。

総合的な判断が求められます。

配偶者控除と扶養控除は似ているけれど、少し違う

配偶者控除も扶養控除も扶養者が受けられる控除ですが、内容は少し違います。

配偶者控除の方が税制面でかなり有利なことが多いです。

扶養控除の方は配偶者以外の人にかかる控除です。同居をしていなくても生計が同じならば受けられることが多いです。

手取りを大きく左右するものなので、しっかりと仕組みを理解しておきましょう。